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月別アーカイブ: 2026年9月

ワタナベジグのよもやま話~第37回~

皆さんこんにちは!

 

神奈川県藤沢市を拠点に自動車製造に関わる治具の設計を行っている

ワタナベジグ、更新担当の富山です。

 

 

 

 治具製作への移行

― 設計から現物へつなぐ工程 ―

 

 

 

製造現場で使用される治具は、製品や部品を正しい位置に固定し、加工・組立・溶接・検査などを安定して行うための大切な道具です。

同じ品質の製品を繰り返しつくるには、作業者の技量だけに頼るのではなく、誰が作業しても正しい位置や姿勢を再現できる仕組みが必要です。その役割を担うのが治具です🔧

治具の設計が完了すると、次は図面や3Dデータをもとに、実際の部品を加工する「治具製作」へ移行します。

今回は、設計から現物へつなげる治具製作の流れと、各工程で大切になるポイントをご紹介します。

 

 

 

設計内容を製作側で確認する

 

治具製作へ移行する際は、まず設計図面や仕様書の内容を確認します。

治具の目的、対象となるワーク、基準位置、固定方法、必要な精度、使用する部品、材質、表面処理など、製作に必要な情報がそろっているかを確認します📐

図面上では成立しているように見えても、実際の加工では工具が入らない、組立時にボルトを締められない、測定器を当てにくいといった問題が見つかる場合があります。

加工性や組立性、メンテナンス性まで確認することが重要です。

 

 

 

基準を正しく理解する

 

治具製作で特に大切なのが、「どこを基準にするか」という点です。

対象物となるワークを正しい位置に置くためには、基準面、基準穴、ストッパーなどの位置関係を正確に製作しなければなりません。

基準となる部分にズレがあると、治具全体の寸法が図面通りであっても、ワークの位置が安定しない可能性があります。

どの寸法が重要なのか、どの面を起点として測定するのかを理解し、加工から組立、検査まで共通の基準で進めることが大切です🔍

 

 

 

材料と購入部品を手配する

 

図面の確認後は、治具の本体や部品に使用する材料を手配します。

鉄、ステンレス、アルミ、樹脂など、使用環境や必要な強度、重量、耐摩耗性に応じて材質が選ばれます。

また、位置決めピン、ブッシュ、クランプ、ボルト、ナット、シリンダー、センサーなど、市販の部品を組み合わせることもあります。

部品の納期が長いと治具全体の完成時期に影響するため、早い段階で在庫や納期を確認します。代替品を使用する場合は、寸法や性能が設計条件を満たしているか、設計担当者と確認する必要があります📋

 

 

 

部品加工へ進む

 

材料がそろったら、図面に基づいて各部品を加工します。

切断、旋盤加工、フライス加工、穴あけ、研削、溶接など、部品の形状や精度に合わせて加工方法を選びます。

すべての部分へ同じ高精度が必要なわけではありません。位置決めに関わる面や穴には高い精度が求められますが、カバーや補助部品などは必要な機能を満たす範囲で加工します。

重要部分を見極め、適切な加工方法を選ぶことが、品質と製作時間のバランスにつながります⚙️

 

 

 

加工中の確認が手戻りを防ぐ

 

部品をすべて加工し終えてから間違いが見つかると、再加工や作り直しが必要になります。

そのため、加工中にも寸法、穴位置、平面度、直角度などを確認しながら作業を進めます。

特に複数の部品が組み合わさる部分では、単品の寸法だけでなく、相手部品との関係も重要です。仮合わせを行い、ボルト穴が合うか、動作部分が干渉しないかなどを確認することで、組立時の問題を減らせます。

小さな確認を積み重ねることが、最終的な精度と納期を守ります✨

 

 

 

溶接による変形にも注意

 

治具のフレームやベースを溶接で製作する場合、熱による変形を考慮しなければなりません。

溶接する順番や位置が偏ると、材料が反ったり、直角が崩れたりすることがあります。

仮付けの段階で寸法や対角を確認し、必要に応じて固定しながら溶接します。溶接後に機械加工を行う場合は、仕上げ代を考慮して材料寸法を決めておくことも大切です。

完成寸法だけを見るのではなく、加工途中でどのような変化が起こるかを予測することが求められます。

 

 

 

設計変更を確実に反映する

 

製作中に、ワークの変更や使い勝手の改善などを理由として、設計が変更されることがあります。

変更が発生した場合は、口頭だけで伝えるのではなく、図面や部品表などの関連資料を更新します。古い図面が現場に残っていると、変更前の仕様で製作してしまう可能性があります。

変更内容、変更理由、対象となる部品を明確にし、設計・加工・組立の担当者全員で情報を共有することが重要です🤝

 

 

 

組立前の準備

 

各部品の加工が完了したら、寸法や数量を確認し、バリ、汚れ、切粉などを取り除きます。

バリが残っていると部品が正しく密着せず、組立精度へ影響することがあります。また、作業者が手を傷つける原因にもなります。

図面、工具、測定器、締結部品などを準備し、組立の順番も確認します。組み直しを減らすためには、どの部品から取り付けるかを事前に考えることが大切です。

 

 

 

まとめ

 

治具製作への移行は、設計図面を受け取って加工を始めるだけの工程ではありません。

治具の目的や基準位置を理解し、材料の手配、部品加工、途中検査、設計変更の管理を確実に行う必要があります。

図面の情報と現場の技術を結びつけることで、初めて使いやすく精度の高い治具が完成します😊

設計から現物へつなぐ一つひとつの確認が、製造現場の品質と作業効率を支えているのです。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

神奈川県藤沢市を拠点に自動車製造に関わる治具の設計を行っております。

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